子どもの矯正相談で名前を聞くことが増えた「マイオブレース(Myobrace)」と「プレオルソ」。どちらも柔らかい素材の取り外し式マウスピース装置で、見た目も似ていますが、生まれた背景やプログラムの組み立てが異なります。この記事では、共通点と違いを整理し、どう選べばよいかの考え方をまとめます。
共通点——「歯を動かす」より「原因に働きかける」装置
ワイヤー矯正やアライナー矯正が歯そのものを動かす治療であるのに対し、この2つは機能的マウスピース装置(口腔筋機能に働きかけるトレーナー型装置)に分類されます。口呼吸、舌の低い位置、飲み込むときの舌の突出、唇の力の弱さ——こうした「お口の癖(口腔習癖)」は、成長期の歯並び・あごの発育を乱す一因とされています。両装置とも、装着を通じて鼻呼吸や正しい舌の位置を習慣づけ、歯並びが乱れる原因側を減らすことを主な目的とします。
使い方も共通点が多く、「日中の決められた時間+就寝時に装着する」設計が基本です。日中はずっと着ける必要がない一方、毎日の装着習慣と、あわせて行うトレーニングへの取り組みが結果を左右する——つまり本人と家庭の協力が不可欠な装置でもあります。
違いの整理
| マイオブレース(Myobrace) | プレオルソ | |
|---|---|---|
| 開発の背景 | オーストラリアの Myofunctional Research 社が開発した国際的なプログラム | 日本の歯科医師が考案した日本生まれの装置 |
| プログラム構成 | 成長段階に応じたシリーズ構成で、装置と並行して呼吸・舌・飲み込み・唇のトレーニング(アクティビティ)を体系的に行う | かみ合わせのタイプ(出っ歯傾向・受け口傾向など)に応じた種類から選択して使う |
| 素材・つくり | シリコン系の既製トレーナーを段階的に交換 | 柔らかいポリウレタン系の既製装置。お湯で部分的に調整できるとされる |
| 装着の目安 | 日中1〜2時間+就寝時(プログラムにより異なる) | 日中約1時間+就寝時(医院の指示により異なる) |
| 対象の目安 | 乳歯列期〜混合歯列期の子どもが中心 | おおむね3〜10歳ごろの成長期の子どもが中心 |
※各項目は装置の公式情報・一般的な運用に基づく目安です。実際のプログラム設計・装着指示は医院ごとに異なります。
どう選べばよいか——装置ではなく「診断」から
大切なのは、装置名から入らないことです。同じ「歯並びの乱れ」でも、原因が口呼吸なのか、あごの幅なのか、骨格のずれなのかによって適する対応は変わります。機能的マウスピース装置が向くケースもあれば、拡大床や固定式装置、あるいは経過観察が適切なケースもあります。検査・診断のうえで「なぜこの装置なのか」を説明してもらい、納得してから始める——これが装置選びの実質的な答えです。
また、これらの装置は本人の協力度に結果が大きく左右されます。嫌がって装着できない場合の代替案や、改善が見られない場合の次の一手(1期治療の他の装置への移行など)を、開始前に確認しておくと安心です。費用は自由診療で医院ごとに異なるため、観察・調整の費用を含めた総額で確認してください。
谷町四丁目・天満橋エリアでの取り扱い(公開情報)
- マイオブレース — トモコ歯科医院(天満橋駅徒歩5分・谷町四丁目駅徒歩圏)が、子どもの口腔育成プログラムとしてマイオブレースに対応しています。
- プレオルソ — 医療法人田中歯科医院(谷町四丁目エリア)がプレオルソを取り扱っています。
そのほかの小児矯正対応医院は谷町四丁目の小児矯正・こども矯正ガイドにまとめています。開始時期の考え方は成長期の矯正治療はいつから?をご覧ください。
参考情報
- 公益社団法人 日本矯正歯科学会 jos.gr.jp
- 公益社団法人 日本小児歯科学会 jspd.or.jp
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の装置・治療法を推奨するものではありません。装置の適応は検査・診断に基づく歯科医師の判断によります。マイオブレース・プレオルソを含む小児矯正は自由診療であり、費用・プログラムは医院ごとに異なります。