「子どもの歯医者はいつから連れて行けばよいですか」という質問をよくいただきます。答えは治療のためではなく、慣れるために早めにです。痛みが出てからの初診は、子どもにとって歯科医院の第一印象を決めてしまいます。
受診を始める目安
- 最初の歯が生えたころ——生後6か月前後から相談は可能です。
- 1歳半・3歳の健診——自治体の健診で指摘があればその時点で。
- 奥歯が生えそろうころ——溝のむし歯予防を検討する時期です。
- 永久歯に生えかわる時期——歯ならびの相談もあわせて。
乳歯だから放っておいてよい、とはなりません
「どうせ生えかわるから」と考えられがちですが、乳歯のむし歯は次に生えてくる永久歯の位置や質に影響することがあります。また、痛みで片側だけで噛む癖がつくと、あごの使い方に偏りが出ることもあります。
一方で、すべてを削って治すという意味でもありません。進み具合と生えかわりまでの期間を見て、経過を追う選択をすることもあります。
予防で行うこと
- フッ素塗布——歯の表面を強くする処置です。定期的に繰り返すことで意味が出ます。
- シーラント——奥歯の深い溝を樹脂で埋めて、汚れがたまりにくくします。
- ブラッシング指導——年齢によって仕上げみがきの必要な範囲が変わります。
- 食習慣の確認——回数と時間帯が、量よりも影響します。
だらだら食べが一番の要因になりやすい
甘いものの量よりも、口の中が酸性になっている時間の長さが影響します。ジュースを少しずつ長く飲む、間食の回数が多いといった習慣は、歯にとっては負担の大きい状態が続くことになります。時間を決めて食べ、そのあとは水やお茶にするだけでも条件が変わります。
歯みがきを嫌がるとき
- 短く回数を分ける——一度で完璧を目指さないほうが続きます。
- 上唇の内側のすじに当たると痛がります。指で覆って保護してください。
- 寝かせみがきは時間を決めて——長いほど嫌がる記憶になります。
- 仕上げみがきは、少なくとも小学校低学年までは続けるのが一般的です。
歯ならびが気になるとき
乳歯のうちはすき間があるほうが自然です。永久歯は乳歯より大きいため、すき間がないほうが後で並びにくくなることがあります。気になる場合は、治療を始めるかどうかとは別に、いま相談しておく価値があります。開始時期には適した時期があり、早すぎても遅すぎても選択肢が変わるためです。
医院を選ぶときの確認点
- 子どもへの説明の仕方——いきなり処置に入らず、慣らす段階を設けているか
- 予防の組み立て——フッ素やシーラントの間隔をどう考えているか
- 保護者への共有——お口の中の状態を写真などで説明してもらえるか
- 通院のしやすさ——学校や園の帰りに寄れる時間帯か
費用について
むし歯の治療や定期的な予防処置の多くは健康保険の対象です。お住まいの自治体によっては子ども医療費の助成が受けられます。一方、歯ならびの治療(矯正)は原則として自由診療で、費用は全額自己負担となり医院ごとに設定が異なります。
よくあるご質問
何歳から連れて行けばよいですか
最初の歯が生えたころからご相談いただけます。治療が必要かどうかにかかわらず、痛みのない時期に来院して環境に慣れておくと、その後の受診が進めやすくなります。
フッ素はどのくらいの間隔で行いますか
お口の状態やむし歯のリスクによって変わります。数か月ごとの間隔で継続する場合が多いですが、一度の処置で完了するものではなく、繰り返すことに意味があります。
乳歯のむし歯は治療しなくてもよいですか
生えかわるまでの期間と進み具合によって判断が分かれます。痛みや噛み方への影響、永久歯への影響を考えて、治療するか経過を見るかを決めます。自己判断で放置せず、一度確認されることをおすすめします。