矯正歯科の用語集
——初診前に知っておきたい36語をやさしく解説

この記事の要点
  • 矯正相談で頻出する専門用語36語を、装置・診断・治療の流れ・小児矯正・費用の5テーマで整理しました。
  • 各用語は1〜2文の短い定義なので、初診前の5分の予習に使えます。
  • 用語がわかると、医師の説明を確かめながら聞けるようになり、医院比較の精度が上がります。

矯正歯科の初診相談では、装置の名前や検査・かみ合わせの専門用語が数多く登場します。このページでは、相談前に知っておくと説明がぐっと理解しやすくなる36語を、①装置 ②診断・かみ合わせ ③治療の流れ ④小児矯正 ⑤費用・制度の5テーマに分けて、それぞれ1〜2文で解説します。

装置に関する用語

マルチブラケット装置

歯の表面に接着する「ブラケット」とワイヤーで歯を動かす、最も一般的な固定式の矯正装置です。

表側矯正(唇側矯正)

歯の表側にブラケットを付けるワイヤー矯正。適応範囲が広く、裏側矯正より費用を抑えやすい方法です。

裏側矯正(リンガル矯正)

歯の裏側に装置を付ける方法。外から見えにくい一方で費用は高めになり、発音に慣れる期間が必要です。

マウスピース型矯正装置(アライナー)

透明なマウスピースを1〜2週間ごとに交換して歯を動かす取り外し式の装置。1日20〜22時間の装着が治療の前提です(ワイヤー矯正との違い参照)。

インビザライン

マウスピース型矯正装置の代表的なブランド名。医院によって取り扱うシステムや対応範囲は異なります。

アタッチメント

マウスピース矯正で歯の表面に付ける歯と同色の小さな突起。マウスピースの力を歯へ的確に伝える役割があります。

顎間ゴム(エラスティック)

上下の装置にかける小さな医療用ゴム。かみ合わせの前後関係を調整するために使い、装着時間が結果を左右します。

拡大床(床矯正装置)

ネジを少しずつ回して歯列の幅をゆっくり広げる取り外し式装置。主に成長期に使われます(仕組みと限界の解説参照)。

マイオブレース/プレオルソ

口呼吸や舌の癖など「歯並びを乱す原因」に働きかける機能的マウスピース装置。歯を直接動かす装置とは目的が異なります(2種類の違い参照)。

アンカースクリュー

歯ぐきの骨に一時的に埋める矯正用の小さなネジ。歯を効率よく動かすための固定源になります。

リテーナー(保定装置)

治療後の歯並びを安定させるための装置。取り外し式と歯の裏に固定するタイプがあります(保定の基礎知識参照)。

診断・かみ合わせの用語

不正咬合(ふせいこうごう)

歯並びやかみ合わせが正常な状態から外れていることの総称です。

叢生(そうせい)

あごのスペース不足で歯がデコボコに重なって生えている状態。いわゆる「八重歯」も叢生の一種です。

上顎前突(出っ歯)

上の前歯や上あごが前方に出ているかみ合わせです。

反対咬合(受け口・下顎前突)

下の歯が上の歯より前に出ているかみ合わせ。成長に影響するため、お子さまは早めの相談が勧められます。

開咬(かいこう)

奥歯をかんでも前歯が閉じない状態。舌の癖や指しゃぶりとの関連が指摘されています。

過蓋咬合(かがいこうごう)

かみ合わせが深く、下の前歯が上の前歯に覆われすぎている状態です。

セファログラム(頭部X線規格写真)

あごの骨格と歯の位置関係を一定の規格で撮影・計測する、矯正歯科ならではのX線検査です。

口腔内スキャナー

歯型を光学スキャンでデジタル採得する機器。従来の型取りより負担が少なく、マウスピース矯正の設計にも使われます。

治療の流れの用語

動的治療期間

装置で実際に歯を動かす期間。全体矯正ではおおむね1〜3年程度が目安とされます。

保定(ほてい)

動かした歯を新しい位置で安定させる段階。リテーナーを使い、期間の目安は2年前後です。

後戻り

治療後に歯が元の位置へ戻ろうとする現象。保定を怠ると起こりやすくなります。

抜歯矯正/非抜歯矯正

歯を並べるスペースを作るために小臼歯などを抜くかどうかの治療方針。どちらが適するかは検査・診断で決まります。

IPR(歯間削合・ディスキング)

歯の側面のエナメル質をごくわずかに削ってスペースを作る処置。マウスピース矯正でもよく用いられます。

調整料(処置料)

通院ごとにかかる装置調整の費用。総額に含める医院と都度払いの医院があります(費用の内訳と相場参照)。

小児矯正の用語

1期治療

乳歯と永久歯が混在する時期に、あごの成長を利用して歯が並ぶ土台を整える治療です(開始時期の考え方参照)。

2期治療

永久歯が生えそろってから歯並びを仕上げる治療。1期治療からの継続では装置料が調整される医院もあります(小児矯正の費用参照)。

混合歯列期

乳歯と永久歯が混在する、おおむね6〜12歳の時期を指します。

咬合誘導

永久歯が正しい位置に生えるよう、歯の生え替わりを管理・誘導していく小児歯科・矯正の考え方です。

口腔筋機能療法(MFT)

舌・唇・頬の筋肉の正しい使い方を練習し、歯並びを乱す癖を改善するトレーニングです。

口呼吸

口で呼吸する習慣。歯列やあごの発育に影響することがあり、小児矯正で重視されるチェック項目です(歯並びが悪くなる原因参照)。

費用・制度・資格の用語

トータルフィー制(総額制)

調整料などを含めた治療完了までの総額を最初に提示する料金体系。都度払い制との違いは見積もり比較の重要ポイントです。

医療費控除

かみ合わせの改善など機能目的の矯正治療費が対象になり得る税制上の控除。領収書の保管が必要です。

顎変形症(がくへんけいしょう)

あごの骨格のずれが大きく、外科手術を伴う矯正治療が必要な状態。指定医療機関での治療は健康保険が適用される場合があります。

日本矯正歯科学会 認定医・臨床指導医

学会が定めた研修と症例の基準を満たした歯科医師に与えられる資格。医院選びの客観的な目安のひとつです(医院選びの記事参照)。

セカンドオピニオン

診断や治療方針について、別の歯科医師の意見を聞くこと。長期にわたる矯正治療では活用しやすい仕組みです。

用語の次は「質問」の準備を

用語がわかると、初診相談で医師の説明を確かめながら聞けるようになります。相談の場で確認すべきことは「矯正相談で聞くべき10の質問」にまとめました。谷町四丁目・天満橋エリアで矯正歯科をお探しの方は、矯正歯科ガイドマウスピース矯正ガイド小児矯正ガイドもあわせてご覧ください。

参考情報

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。治療の適応・費用は検査・診断に基づき医院ごとに異なります。受診の際は必ず各医院に直接ご確認ください。

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