
- 子どもの矯正は1期治療と2期治療に分かれることがあり、総額はその合計で考えます。
- 大人の矯正は原則として1回の治療計画で、装置の種類によって費用の幅が決まります。
- どちらも「装置代」だけでなく検査・調整・保定を含めた総額で比較します。
- 発育を妨げないために行う子どもの矯正は、一般に医療費控除の対象とされています。
1. 同じ「歯列矯正」でも、費用の組み立てが違う
費用を調べると、子どもの矯正と大人の矯正で金額の示し方が違うことに気づきます。これは治療の内容が違うというより、治療が何回に分かれるかの違いによるところが大きいです。
子どもの場合は成長を利用できるため、早い段階の治療(1期)と、永久歯がそろってからの治療(2期)に分けて計画されることがあります。大人の場合は成長による変化が期待できないため、原則として1回の治療計画として組まれます。
2. 子ども——1期と2期に分かれる
1期治療は、あごの成長や歯の生えかわりに合わせて行うもので、拡大床や機能的装置などが使われます。目安として約10万〜60万円程度が示されることが多いです。
ここで注意したいのは、1期で終わるとは限らないという点です。永久歯がそろった段階で仕上げの治療(2期)が必要になることがあり、その場合は2期の費用が別に発生します。総額は1期と2期の合計で考える必要があります。
2期に移行するかどうかの判断基準、移行する場合に1期の費用が充当されるかどうかは医院によって扱いが異なります。最初の説明の段階で確認しておきたい項目です。詳しくは小児矯正の費用はいくら?、装置の種類は小児矯正の装置の種類に整理しています。
3. 大人——装置の種類で幅が決まる
大人の矯正は1回の治療として計画されるため、費用の幅は主に装置の種類によって決まります。表側のワイヤー矯正で約60万〜130万円程度、マウスピース矯正で約60万〜120万円程度が目安として示されることが多く、裏側(舌側)はこれより高くなる傾向があります。
部分的に動かす部分矯正であれば、全体矯正より費用と期間が抑えられることがあります。ただし対応できる範囲が限られるため、部分矯正で目的が達成できるかどうかは検査のうえでの判断になります。
年齢による制約については大人の歯列矯正は何歳からでも遅くない?で扱っています。
4. どちらにも共通する——総額で比べる
大人でも子どもでも、比較のときに見るべきものは同じです。装置代だけを並べても比較にならないという点に尽きます。
- 初診相談・精密検査・診断の費用
- 装置代(子どもは1期・2期それぞれ)
- 調整料——通院ごとに約3,000〜10,000円程度が目安として案内されることがあります
- 保定装置と保定期間の管理
- 再作製・追加装置の扱い
総額の内訳の考え方は歯列矯正の費用相場と内訳にまとめています。
5. 医療費控除の扱い
発育段階にある子どもの成長を阻害しないために行う矯正は、一般に医療費控除の対象とされています。大人の場合は、審美目的ではなく機能的な問題の改善を目的とする場合に対象となる考え方が示されています。
実際の適用可否は個々の事情によるため、診断書や領収書の扱いを含めて税務署や医院に確認するのが確実です。考え方の整理は小児矯正は医療費控除の対象になる?に記載しています。
6. 保険が使える場合
矯正治療は原則として自由診療ですが、一部の先天性疾患や顎変形症など、定められた条件に当てはまる場合には公的医療保険の対象となることがあります。対象となる施設の要件もあるため、該当しそうな場合は早い段階で相談しておくとよいでしょう。詳しくは歯列矯正に保険は使える?をご覧ください。
7. 見積もりを受け取ったら確認すること
- 提示された金額が総額か、装置代のみか
- 子どもの場合、2期治療の費用がどう扱われるか
- 支払いの時期——一括か分割か、どの段階で発生するか
- 治療が延びた場合の追加費用の有無
- 転院・中断のときの精算の考え方
同じ質問を複数の医院にして、同じ条件に並べてから比べる。これが数字を読み違えないための、いちばん確実な方法です。